一番印象に残っているアメリカ経験と言えばなんですか?
というような質問をときどきされるが、正直に答えたことはない。
いつも楽しい答えを言ってしまう。
例えば、テキサスバーベキューのブリスケットは死んでもいいと思うくらいおいしいとか、サラ・ジェシカ・パーカーをハンバーガー屋の前で見たとか、セントラル・パークであった友人の結婚式に出席して酔っぱらったとか、ニューヨーク・コレクションのバックステージ撮影に参加したとか、ソフィア・コッポラと同じ時間に同じ店で食事したとか。
でも、この質問をされて一番最初に頭をよぎることはそんなことじゃない。一番最初に頭をよぎるのは「銃」だ。
1 銃が目の前にある
ニューヨークは米国内で最も銃規制が厳しい州なので、銃を持っている友人は私の活動範囲にはいない。でも、銃は毎日にように目にする。なぜかというとほとんどの警官が腰に携帯しているからだ。警官は町中のあちこちにいるし地下鉄にも乗っている。こちらへ来て日が浅い頃は、警官の腰にぶらさがっている銃をよく知らない間に凝視していた。これは人を殺せるものだ、誤発射しないだろうか、どう見ても警官になって日が浅そうなこの若い警官にうまく扱えるのだろうか、流れ弾を避けるにはどこに隠れたらいいんだろうか、などとドラマの見過ぎか想像力が先走りする。
2 生の銃声を聞いた
確実に銃声と言えるものを初めて聞いたのは約2年前。ブルックリンの自宅で寝ていたら銃声が2発聞こえた。当時のルームメイトはフロリダ州出身のアメリカ人で銃に詳しく「2発目は人間の体にのめり込んだ音だった。今ここで確実に人が1人死んだ」なんて言うから、すっかりビビって、今できることは流れ弾に当たらないようにすることだ、と思いベッドの下に隠れて寝た。結局その後は何も起こらず翌日以降もギャング抗争などはなかった。
2回目は最近だ。友人宅でパーティをした後そのまま寝ていたら、パン、パン、パン、パン、パン、とものすごい大きな連続銃声。飛び起きて窓へダッシュすると、なんと、、、
3 銃で撃たれた人が倒れるところを見た
泊まっていたのはクイーズの住宅地のいたって穏やかな地区。窓から外を覗くと、歩道にいた唯一の人間がパタンと倒れるところだった。一緒にいた友人の一人がすぐに警察に電話を掛けたが、オペレーターに説明し始めるとすぐパトカーのサイレン音がいくつも近づいてきた。後で聞いたところによると、撃たれた人はこの地区に住む人ではない上、完全のこの人だけを狙った犯行だったそうで、一般住民としては少し安心。この人の命が助かったという情報もほっとできた理由だ。でも、犯人は捕まらず仕舞い。
銃はテレビや映画でおなじみでもう飽き飽きしている程。でも、実際には音を聞くだけで日本から来た私などは縮み上がる。
ナイジェリア出身の友人とそんな話をしたことがあるが、彼らは銃の危険には慣れているという。慣れているといってももちろん必ず助かる術を身につけているわけではなく、銃を目にしたり銃声を聞いたりそれから逃げようとすることに慣れているということ。また、ニューヨーク大学の社会学の授業に参加させてもらったことがあるが、全米各地から集まったクラスメートの中にはテキサスやバーモンドなど銃規制の緩い州出身の学生がいて、実家には護身用銃があると言っていた。
アメリカにいたら銃撃戦に巻き込まれる可能性が高い、というわけではもちろんないが、銃にお目にかかる機会が多いというのは、日本にいたらあまり経験しないことだ。そして、それによって世界の警察とも言われるアメリカに住むということはどういうことかを考えさせられる、特に今日この頃。
2 comments:
こんにちは、私のミーハーブログをフォローして下さりありがとうございます。
銃声はビビリますよね。
私もアメリカに初めて留学したシアトルで銃声を聞いたことがありますが、その1回こっきり。
銃で撃たれた人を目にしてしまったらトラウマになりそうです(゜o゜;)
忘れようとしてるんですけど、現場前を通ると思い出す、、、これをトラウマというような気が、、。
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