Sunday, August 28, 2011

病気

我々は、政治家の個性にこだわりすぎている。
この病気から、決別するべきである。
世界の運命 より)


今日、民主党党首が選ばれた、また。
この政治情勢にあきれているんだけど、
どうしても、「もしかして今度こそ、、、」と、心のどこかで期待してしまう、
というのが、病気なのかも。



Wednesday, August 24, 2011

ブラジルの流儀




















ブラジルの流儀 なぜ「21世紀の主役」なのか(和田昌親)

長らく経済が安定しない時代を生きてきたブラジル人は、「長いスパンで物事を考えられない」と説明する学者もいる。しかしそうではなく、彼らは、お金より、家族、親子、そして人間そのものというスパンの短いものが根っから好きなのだ。


誰かひとりについてではなく、国全体を語る上で、
”人間そのものが根っから好き”と形容される国が他にあるだろうか?

相対的にみて日本と対極的なこの国は、
今、私の一番の興味対象国、経験してみたい国。

この本は、ブラジルについて何でも教えてくれる。
私の持っているブラジルの人たちへの印象をクリアに語ってくれ、
なぜそうなのかも教えてくれる。
知らなかったことも満載で、読み終える頃には、
”この子とお友だちになりたいな” と思ってしまった。
まあ、相手は国なので、日本国に、
”この国とお友だちになって欲しいな”
だ。



Sunday, August 21, 2011

花火

隅田川の花火大会は、記録に残る日本最古の花火大会だという記事を読んだ。
そしてそれが始まったのは、1733年、西国の大飢饉と江戸の伝染病で亡くなった人の霊を慰めるためだったそうな。。。

それを読んだとき、ふと思ったんだけど、
昨日書いた、”しんとしずかな、ほん”には、
線香花火を見守るときの静けさは、描かれてなかったなぁ。
あれは1ページに値する”しん”だと思うけどなぁ。

あれは、日本人の感覚?

アメリカにも、線香花火はあったはず。
今度、リサーチしてみよう。


















Saturday, August 20, 2011

しんとしずかな、ほん



















しんとしずかな、ほん (The Quiet Book text:Deborah Underwood, illustrator:Renata Liwska)

ぐぐっときます、このえほん。
身の回りの、”しずかな”瞬間を切り取った本。
それだけなのに、心のふかーいところまで、
あったかさと”鼻ツン”が届いてきます。
このシンプルネスに心が洗われます。

なんで登場するのが、動物たちになったんだろう。
それは、見事な選択なのだけど。
文章だけを読むと、
人間の小さな子が経験してもいいようなお話なのです。
でも、これが動物になることで、
読んでる自分を、動物たちもいる自然界の中のひとり、と感じます。

極細の線で描かれた動物たちのまるっこさが、
シンプルな中で生きます。
それからなんといっても、 江國香織さんの言葉選びと言葉並べは、
感動もの。




Friday, August 19, 2011

ユヌスさんの言葉

現在の資本主義社会では、人間は利己的である、という考えが前提になっています。この考えは部分的には正しいですが、部分的には間違っています。すべての人間は利己的であり、同時に利己的ではないのです。この利己的ではない部分が現在、無視されて取り残されているのです。私は、無私(selflessness) と読んでいます。(中略)無私の気持ちだけでもビジネスは成立するのではないでしょうか。私たちがやろうとしていることは、人間とは何か、という問いへの挑戦でもあるのです。
(日経ビジネス8月22日号より)


無私の気持ち”だけ”で”人助け”をするのではなく、
無私の気持ち”だけ”で”ビジネス”をする。



Wednesday, August 17, 2011

愛する人(Mother and Child)



















愛する人 (Mother and Child 監督Rodrigo Garcia) を観ました。

一貫して、同じタイプの作品をつくっているロドリゴ・ガルシア監督の作品だけど、
飽きません。
女性の心の震えを、まさに、振動で伝える。
言葉や行動に素直に現れない心を、振動で。
登場人物が私に触って、それで振動が伝わったのかと思った。

メイン二人の演技は100点満点の300点。
妊娠中のお腹の曲線、動かなくなった目玉、うまいです。

撮影現場を見てみたい。
それから、今回登場するの男性二人、
どっちも大人でやさしかったなぁ。



Tuesday, August 9, 2011

僕のもの、君のもの

僕のもの、君のもの。
「この犬は、僕のだ」と、あの坊やたちが言っていた。
「これは、僕の日向ぼっこの場所だ」ここに全地上の横領の始まりと、縮図とがある。
(パンセより)


ほらね。



Monday, August 8, 2011

世界の運命





















世界の運命 (Paul Kennedy)を読みました。

火星からの訪問者に、我々の現状を説明するのは大仕事である。192の独立国家があって、そのいくつかは解体しかけている。どうしてこうなったのか。奇妙な歴史的理由によって、この惑星上の65億の人類は、自分たちを、馬鹿馬鹿しいほど多数の独立国に分けてしまったのである。


”ちきゅうさん”は、あきれて笑ってるだろうなぁ。
こんなに人間生まれちゃって、勝手に領土を決めて喧嘩して、地面を掘って石油を使っちゃって、山を削って動物をいじめて、危険な薬品を作って地球を汚して潰して、あげくの果てに自分たちもケガして。しかもそこは、人間が勝手に自分たちの場所と思い込んでるだけのところだよん。せっかく遊び場として貸してやったのに、みんなで仲良く大切にしないなら、もう取り上げるぞ。



Saturday, August 6, 2011

無限の網 草間彌生自伝



















無限の網 草間彌生自伝 を読みました。

科学や機械万能の進歩による人間の思い上がりは、生命の輝きを失わせ、イメージの貧困をもたらしている。暴力化した情報化社会、画一化した文化、自然の汚染、この地獄絵図の中で、生の神秘はすでに息づくことをやめている。私たちを迎え入れる死は、その荘厳である静かさを放棄し、私たちは静謐な死を見失いつつある。
しかしながら、この白雉的はゴキブリとドブ鼠をこねる地球の醜さと人間性の退廃の彼方に、星は変わらずにいぶし銀の光を秘めてまたたいていることの驚き!無限の何億光年の一瞬の静寂を、目に見えぬ力に生かされて、イリュージョンの中に存在する私の一瞬の生命!


ぶっとんだ。笑った。
そしてなにより、すっきりした、これ読んで。

フー。
草間さんの文章を読むと、草間さんの芸術を観ているかのように、
疲れる。
パワーが必要です。パワーが吸い取られるから。

草間さんはマグマに住んでる、と感じる。
草間さんは、どんどんマグマと同化していってる。
燃えてる。
色が澄んできてる。

私たちは、
草間さんを見失ってはいけない。




Thursday, August 4, 2011

正義

流行が好みを作るように、また正義も作る。

世論と想像力との上に基礎づけられた支配は、しばらくのあいだ君臨する。そしてこの支配は心地よく、自発的である。力の支配は、常に君臨する。だから世論は、この世の主人のようなものであるが、力はこの世の暴君である。
(パンセ より)


正義はやっぱり、うつろうもの、か。
人は、その時代時代で勝負していかなきゃいけない。
タイミングの問題。
それが、一個体の運命。
好みも正義もうつろうもの。

死刑になるか、無期懲役になるかも、流行の問題、か。





Wednesday, August 3, 2011

裁かれた命




















裁かれた命 死刑囚から届いた手紙(堀川恵子)

死刑とは、その時代その時代における正義感の表れであると表現されることがある。時代の正義感とは、言い替えれば市民がそれを正しいと指示する道理である。市民の正義感が、社会が定めたルールに違反したものに対してかせられる制裁の基礎となる。
死刑判決はその正義にのっとって、さらには法の下の平等の原則に基づいて、裁判という公正で公平な真理を通して下されるものである。
しかし、かつては死刑とされたものが、今では到底、死刑にはならないとするならば、絶対的な真理である筈の法の下の平等ですら時代によって変わるということか。
正義、とは本来、うつろうものなのだろうか。


読み応えありました。
正義について、裁判制度について、死刑宣告をする人間、執行に立ち会う人間について、刑務所の目的、死刑囚の更生についての問題提議。
それらを、死刑囚から届いた手紙を読み解くことにより、考察し問題をえぐり出していく。

これはまるで、ドキュメンタリーとその解説版の2本の映画を同時に観たよう。手紙、証言、事実の列挙でストーリーが描かれ、その解説がシーンごとにすかさず入る。主役が手紙の場合は、活字メディアに優るものはないと、私は常々思っている。(私は、手紙が好きで、つい映画に使ってしまう。)しかしこの、”手紙、証言、事実の列挙”、力強いです。ビジュアル的です。

人の心が、どんなに複雑か、矛盾だらけか。
そして、どんなに変わるか、変われるか、
変わらないか。



Tuesday, August 2, 2011

世界の日本人ジョーク



世界の日本人ジョーク(早坂隆 著)

ある豪華客船が航海の最中に沈みだした。船長は乗客たちに速やかに船から脱出して海に飛び込むように、指示しなければならなかった。
船長は、それぞれの外国人乗客にこう言った。
アメリカ人には、「飛び込めばあなたは英雄ですよ」
イギリス人には、「飛び込めばあなたは紳士です」
ドイツ人には、「飛び込むのがこの船の規則となっています」
イタリア人には、「飛び込むと女性にもてますよ」
フランス人には、「飛び込まないでください」
日本人には、「みんな飛び込んでますよ」


世界的社会勉強のために、この手の本をときどき読みます。
悲しくなることが多いけど、、。

でもね、知ってました?
海外にいる日本人は、ジョークネタに当てはまらない異端児が多いのですよ。(もちろん、私を含めます。)異端児だから、日本にいられない。
だから、そういう話題になっても、返答に困ること多し。