Monday, November 16, 2015

脚本読み合わせのチェックポイント

先日、友人の映画脚本の読み合わせに参加した。撮影前の脚本の読み合わせは、こちらでは「テーブルリード」と呼ばれていて、テーブルを囲んだ形で行われなくてもテーブルリードと言う。

テーブルリードは読む人が誰であるかや読み方、タイミングによって目的はさまざまだ。私もコールドリードと呼ばれる演技をしないでただ読むだけの読み手として参加したこともあれば、自分の脚本のデキを見極めるために俳優に読んでもらったことも、観客300人の前で出演予定の俳優が読む撮影直前の最終チェックとしてのテーブルリードに聞き手として参加したことも、はたまたマイクと録音を担当する音響スタッフとして参加したこともある。

今回は聞き手としての参加。ベトナム人の友人が書いた長編映画脚本の第1回目の読み合わせだった。第一回目であったがさすがすでに賞を2つも受賞している脚本、完成度が高くて読んでる俳優の読み方もだんだんコールドリードじゃなくなり、私たち聞き手もすっかり映画の世界に飲み込まれた。最後のト書きが読み終えられると拍手喝采!この脚本を書き監督もすることになっている友人は感動して泣いていた(自分の書いた脚本に感動したみたい、笑)。

しかもこの作品は、戦前のベトナムが舞台のベトナム語作品として制作される。今回のリーディングは、セリフを英語に訳してニューヨーク在住のアメリカ、アジア、中米出身俳優で行われた。文化と時代と国籍を越えて良い作品になる可能性が高いことが証明された!

テーブルリードは多くのことを気づかせてくれるとても役立つ機会。その目的や自分の役割によってチェックポイントは変わってきますが、今回気をつけて聞いていたことは以下の通り。

1 セリフが自然か
2 各登場人物が明確にイメージできるか
3 全体の流れやテンポが良いか
4 映像作品として十分に視覚的か
5 読み終わった後に心が揺さぶられているか

聞き手としての仕事は感想を述べて何か気づいた点を指摘することだけど、この作品は上の5つのポイントを軽々とクリアしていて褒めるしかなかった。たくさん刺激をもらって勉強にもなったテーブルリードだった。




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