日本人映画監督のニューヨークサバイバル日記 How to survive New York life as a Japanese filmmaker
Monday, November 14, 2011
The Forty Part Motet
The Forty Part Motet by Janet Cardiff
日本から友だちが来てたので、久しぶりに MoMA PS1 に行ってきました。
上の作品に引き込まれました。
40台のスピーカーが円形に並んでいます。その真ん中に座って、スピーカーからの音に包まれます。40台のスピーカーは、40人のスピーカー(話す人)。40人に自分が囲まれているように感じます。彼らは舞台の幕が開くのを待ち、そして歌が始まります。完璧な出来のコーラス。
録音技術がすばらしいので、40人の声を”生”に感じます。
生ですが、音の間違いもなく完璧なパフォーマンスです。
完璧なパフォーマンスですが、360度方向から聞こえてくるので、”40人によるコーラス”ではなく、ひとりずつの存在を感じます。
ひとりずつの存在を感じるので、録音されたミスのないパフォーマンスとわかっていても、おのおのの緊張感を感じます。
なぜ緊張感を感じるとかというと、それぞれから出る音がぶつかったり、エコーしたりするからです。
でも、音のぶつかりやエコーは、この完成されたパフォーマンスの貴重な一部で、しかも、一部であるということを聴いているときは全く感じません。全体でひとつ、立体感のあるひとつです。
そう、いつも自宅のスピーカーから聴いている音を、平べったく感じます。
この、まあるい空間で、実生活では体験できない経験をしました。
一緒に聴いていた女性で、涙を流している方がいました。
私はというと、この聞こえ方ができる人間の耳はすごいな、とかと思っていました。
体の惻部に二つだけついていて、耳たぶの角度を変えたりもできないくせに、
ものすごい感知力と調整力。
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