Sunday, May 1, 2011

単純な脳、複雑な「私」























単純な脳、複雑な「私」(池谷裕二 著)を読みました。

脳とは、こんなところだそうです。
-自分が起こした行動に、主観的経験を使って感情をでっちあげてる。(行動が先、意志が後)
-他人を観察し、それにより幽体離脱を覚え、外から自分を眺めてやっと、自分に心があることを知った。
-物理的な痛みと心の痛みを同じところで感知する。

読んでから、しばらく考えた。
そしておおっ!納得した。
その理由は、こんな風に感じることがあるから。
「説明できないけど、多分それで合ってる」
「人のことはよくわかってるのに、自分のこととなるとどうも、、、」
「つらいとき、本当に胸が痛い」


脳のノイズ(ゆらぎ)とは、こんなものだそうです。
-情報の収集と利用を入れ替えるタイミングを生み出す。
(入ってきた情報に従って動いたり、いややっぱり他のを探そう、と動きを変えること)
-微弱な信号を強めて全体がバランスよく見られるようにする。
(例外中の例外だけど大事なことかもしれないから、と示す)

働きもののアリの中に、いっぴきだけいる怠け者のアリのようなもののことだそうです。怠け者のアリは、ゆえに近道を探し当てたりする。
(ゴルフのパットが百発百中じゃないことでもあるけど)

これは、人間脳の進化の過程で残った機能だということに、
しみじみと感動した。
個々の脳にノイズは必要。各々の社会にもノイズ(体質の人)は必要。
排除すると、弱くてつまらない集合体になってしまう。


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