先日、メディア・サービス社主催の税額控除制度の説明会に参加してきた。
これはアメリカ各州の映像メディア(映画、テレビ、ミュージックビデオ、ウェブドラマなど、対象メディアは州により異なる)向け優遇税制を詳しく説明してくれるもの。メディア・サービス社というのは、アメリカ全土でエンタメ業界の会計や制作に関わるサービスをしている会社。
映画の制作費は多額なので、優遇税制を利用するのはほぼ必須要素。だから、アメリカででは当然多くの州で何らかの優遇税制が設けられている。その主なものは、助成金制度やロケ支援、税金免除、税金還付制度、税金移行制度などだ。
税制は、州によって設定項目や方法が違うため一概にどこが一番良いとは言えない。作品の規模や内容によってどの州が撮影にベストかは違ってくる。
とりあえず、最近の傾向と超低予算作品にとって良い州を探ってきた。内容は毎年のように変更されたり中止になったりしているので、ざっくりとしたリポートをする。
優遇税制のおかげで撮影が増えている州
・ルイジアナ州
・ジョージア州
基本的な税控除率が高い上、利用すると更に税控除が増えるローカルサービス
がたくさんある。例えばルイジアナ州では、州在住の脚本家や作曲家が参加
すると控除率が上がる!これすごい。ルイジアナ州に引っ越して脚本を
書いて、「私を雇ったら制作費浮きますよ!」と宣伝しようかと思った、
笑。
超低予算作品に有利な州
・コネチカット州
優遇税制を受ける条件が低くインディペンデント作品にやさしい。 最低制作費
1,000万ドル(内容には条件があるが)から優遇制度がある!
優遇税制が中止されるのは、それによって州の財政がかえって苦しくなっているかビジネスの活性化につながっていないと判断された場合。ミシガン州、アラスカ州、マサチューセッツ州、そして現在多くの作品の誘致に成功しているルイジアナ州などが、今後の中止あるいは税率や控除税額に制限をつけることを発表している。ルイジアナ州は税額を無制限から1億8,000万ドルに制限するという、、調べたら今年はなんと16億ドルの赤字になりそうとのこと。
一方、カリフォルニア州、ペンシルバニア州、メイン州などは優遇制度の制限を緩めたり控除額を上げたりするようだ。
今回の説明会はアメリカのものだったのだけど、北米で一番優位な優遇制度があるのはカナダだ。カナダでは国と州の税制を合わせると、アメリカのどの州も競争にならないような高率な控除制度がある。
ということで、アメリカの優遇制度は今後も続くものの、内容はしょっちゅう変わることが予想される。特に共和党政権期間は反対勢力が力をふるう様子。
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