Sunday, April 3, 2011

パリ20区、僕たちのクラス (ENTRE LES MURS/THE CLASS)


パリ20区、僕たちのクラス (ENTRE LES MURS/THE CLASS)

すごい映画でした。
登場人物がカメラ目線をしないってことだけが、
この映画がドキュメンタリーじゃないってことを証明してくれる。

オープニングシーン以外は学校内シーンのみ。
主役の生活は、”教師”という側面のみしか見せない。
でも、全く隙なし。

なぜかというと、
先生と生徒、教育、人種差別、家庭、学校、希望、成長、絶望、思春期、許し、教室、友達、愛情、居場所、親
と、 多くの現実が折り重なってるから。

これだけ層の厚い映画はなかなかない。
現代映画には層がたくさん必要だとつくづく思う。
じゃないと、映像慣れしすぎてる現代人は飽きちゃう。

でも、それをこのシンプルな構成でやってしまうところがすごい!
だから、より声が響くんだな。

村上隆さんも同様のことを書いておられました。 表現がさすがにおもしろい。
ー現代美術は、歴史が重層化(串刺し)しなくてはいけない。
ーハイコンテクスト化したレイヤーを入れる。たくさんあればあるほどいい。
ーレイヤーの中に50年代(戦後)アメリカアーティストを入れる、
そして自国の問題を串刺しする。   (芸術闘争論より)

串刺し!

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