Thursday, December 3, 2015

アメリカのクラウドファンディング 新ルール

先日、アメリカの証券取引委員会(SEC)がクラウドランディングに関する新たなルールを発表した。

これまではほとんどのプロジェクトで、収益を募金者に分配するという設定はなされていなかった。これは禁止されていたわけではなく、SECの手続きが非常にややこしくお金もかかるため、それをやる人が少なかっただけだ。

でも今回、これが完全に許可されることになった。条件は以下の通り。

1. 年収または自己資産額が1,000万ドル以下の人が募金できる金額は、
2,000ドルか年収または自己資産額の5%のどちらか高い方。

2. 年収または自己資産が1,000万ドル以上の人が募金できる金額は、
年収または自己資産額の10%未満で、過去12ヶ月間の合計募金金額の上限は1,000万ドル。

3. ひとりのプロデューサーが集めることのできる金額は、
12ヶ月間に最高1億ドル。

このような数字設定になったのは、 大手映画会社スタジオがクラウンドファンディングを使って制作費を集めるのを制限する一方、インディーズ映画には制作に十分なお金が集まるようにという考慮された結果だ。これはとても大事な点で、アメリカのクラウンドファンディングではこれまでにも著名人や大手映画会社関連のプロジェクトが多額を集めて非難を受けていた。

今回発表された新ルールが適用されるのは、2016年1月29日から。
今後ますますクラウドファンディングが栄えそう〜。ラララ〜。

SECの発表はこちらで確認できます。


Tuesday, December 1, 2015

アメリカで人気のテレビ番組・映画配信サイト

アメリカでテレビ番組や映画をストリーミングサイトで見る場合、どこがよく利用されているでしょうか?

1位 Netflix (インターネット利用者の51%)
2位 Youtube (インターネット利用者の47%)
3位 Amazon (インターネット利用者の26%)
4位 Hulu (インターネット利用者の22%)
5位 HBO Go (インターネット利用者の13%)

Youtubeでは全編を見られるテレビ番組や映画は少ないことを考えると、本当に内容をしっかり見たい人が利用するサイトとしてはNetflixが圧倒的に強いということになる。
他のサイトもオリジナルコンテンツを作り巻き返しを図っているが、Netflixの勢いは留まるところを知らない。海外、特にヨーロッパでのNetflix市場は広まるばかりで、株価も今年だけでも2倍以上に伸びている。

Netfilxのコンテンツ別比較では、コメディよりドラマやアクションものがよい数字を上げているという。アメリカではコメディは激戦だ。他にたくさんのサイトがあってしのぎを削っている。またいつか紹介したいと思う。

HBO Goというのは、ケーブルネットワークのHBOが自社の番組を配信するもので、現在他ネットワークでも同様のシステムの導入を検討しているところがあるようだ。

最近は、劇場公開映画でも、劇場で公開を開始してすぐネット配信をしたり、先にネット配信を開始してから劇場公開する作品もある状態で、作品のタイプによって最善のマーケティング効果を目指してさまざまな策が取られている。

アメリカでは日本のように無料でテレビを見れないので、何を観るにしてもいくらかのお金を払うことになる。 だから視聴者はそれぞれが見たい作品をより安くより多く見られる手段を模索することになる。

映像作品はプラットフォームもコンテンツも増えているのでチャンスも多い、のは確かだけど、内容における競争は激しさを増している。

参考にした記事はこちら



Saturday, November 28, 2015

映画監督インタビューの最高峰:「ディレクターズ・チェア」

映画監督の本音、葛藤、裏話、秘けつが聞けるインタビューテレビ番組、それが、アメリカのケーブルチャンネル エル・レイ・ネットワーク(El Rey Network)「ディレクターズ・チェア(The Director's Chair」

このケーブルチャンネルは映画監督のロバート・ロドリゲスが創設したもので、「ディレクターズ・チェア」はロバート・ロドリゲスが著名な映画監督に、映画監督としての知識と経験があるからこそ尋ねることができる質問をぶつけ、通常のインタビューでは聞けない監督としての深い葛藤や本音を引き出すインタビュー番組。

シーズン1でインタビューされた映画監督は、
・ジョン・カーペンター
・クエンティン・タランティーノ
・ギレルモ・デル・トロ
・フランシス・フォード・コッポラ
・マイケル・マン
・シルベスター・スタローン
・ルイス・バルデス
・ロバート・ゼメキス
・ジョージ・ミラー

 私がこの番組を観ずにはいられない理由は以下の4つ。
・難しいショットの撮り方が分かる
・ビジネス面の難しさの詳細が聞ける
・著名な監督が新人時代をどう乗りこえたか聞ける
・情熱が映画を完成させることを再確認できる

要するに、知識と元気の両方をくれる番組です!
  
日本ではまだテレビでの放送はされてないようなのですが、すべてのエピソードをiTunesのアメリカサイトで観れます。

ロバート・ロドリゲスは、このケーブルチャンネルを基本的にはラテン系アメリカ人向けにの局としてスタートさせた。ラテン系と言っても英語を話すラテン系で、ラテン系である自身のような映画好きやフィルムメーカーを応援したい様子。

この番組の他にはシリーズもののアクションドラマやラテン系アメリカ人が制作または出演している映画などを放送している。また、人種に関わらずアマチュアフィルムメーカーの映像作品もオンエアできるよう門戸を開いていて、インディペンデントフィルムメーカーであり続けた彼の思いが存分に詰まった番組構成だ。

アジア人の私も存分に楽しんでおります、と彼に伝えたい、笑。




Sunday, November 22, 2015

一番印象に残っているアメリカ体験は?ー銃ー

一番印象に残っているアメリカ経験と言えばなんですか?
というような質問をときどきされるが、正直に答えたことはない。

いつも楽しい答えを言ってしまう。
例えば、テキサスバーベキューのブリスケットは死んでもいいと思うくらいおいしいとか、サラ・ジェシカ・パーカーをハンバーガー屋の前で見たとか、セントラル・パークであった友人の結婚式に出席して酔っぱらったとか、ニューヨーク・コレクションのバックステージ撮影に参加したとか、ソフィア・コッポラと同じ時間に同じ店で食事したとか。

でも、この質問をされて一番最初に頭をよぎることはそんなことじゃない。一番最初に頭をよぎるのは「銃」だ。


1 銃が目の前にある

ニューヨークは米国内で最も銃規制が厳しい州なので、銃を持っている友人は私の活動範囲にはいない。でも、銃は毎日にように目にする。なぜかというとほとんどの警官が腰に携帯しているからだ。警官は町中のあちこちにいるし地下鉄にも乗っている。こちらへ来て日が浅い頃は、警官の腰にぶらさがっている銃をよく知らない間に凝視していた。これは人を殺せるものだ、誤発射しないだろうか、どう見ても警官になって日が浅そうなこの若い警官にうまく扱えるのだろうか、流れ弾を避けるにはどこに隠れたらいいんだろうか、などとドラマの見過ぎか想像力が先走りする。


2 生の銃声を聞いた

確実に銃声と言えるものを初めて聞いたのは約2年前。ブルックリンの自宅で寝ていたら銃声が2発聞こえた。当時のルームメイトはフロリダ州出身のアメリカ人で銃に詳しく「2発目は人間の体にのめり込んだ音だった。今ここで確実に人が1人死んだ」なんて言うから、すっかりビビって、今できることは流れ弾に当たらないようにすることだ、と思いベッドの下に隠れて寝た。結局その後は何も起こらず翌日以降もギャング抗争などはなかった。

2回目は最近だ。友人宅でパーティをした後そのまま寝ていたら、パン、パン、パン、パン、パン、とものすごい大きな連続銃声。飛び起きて窓へダッシュすると、なんと、、、


3 銃で撃たれた人が倒れるところを見た

泊まっていたのはクイーズの住宅地のいたって穏やかな地区。窓から外を覗くと、歩道にいた唯一の人間がパタンと倒れるところだった。一緒にいた友人の一人がすぐに警察に電話を掛けたが、オペレーターに説明し始めるとすぐパトカーのサイレン音がいくつも近づいてきた。後で聞いたところによると、撃たれた人はこの地区に住む人ではない上、完全のこの人だけを狙った犯行だったそうで、一般住民としては少し安心。この人の命が助かったという情報もほっとできた理由だ。でも、犯人は捕まらず仕舞い。


銃はテレビや映画でおなじみでもう飽き飽きしている程。でも、実際には音を聞くだけで日本から来た私などは縮み上がる。

ナイジェリア出身の友人とそんな話をしたことがあるが、彼らは銃の危険には慣れているという。慣れているといってももちろん必ず助かる術を身につけているわけではなく、銃を目にしたり銃声を聞いたりそれから逃げようとすることに慣れているということ。また、ニューヨーク大学の社会学の授業に参加させてもらったことがあるが、全米各地から集まったクラスメートの中にはテキサスやバーモンドなど銃規制の緩い州出身の学生がいて、実家には護身用銃があると言っていた。

アメリカにいたら銃撃戦に巻き込まれる可能性が高い、というわけではもちろんないが、銃にお目にかかる機会が多いというのは、日本にいたらあまり経験しないことだ。そして、それによって世界の警察とも言われるアメリカに住むということはどういうことかを考えさせられる、特に今日この頃。

Saturday, November 21, 2015

ドローンの使用 アメリカの場合

小型無人機ドローンの使用については、日本では、「ドローン規制法」が12月10日から施行され、ある一定重量以上のドローンの飛行禁止空域で飛行を希望する場合は、申請をして審査を受けなければならないようですが、アメリカでは、規制内容の発表はまだですが、まず所有者の登録が義務づけられることになりそうです。

まず最初に登録を義務づける理由は、それによって所有者が連邦航空局に監視されているという意識を高め、規制に沿った利用をすることを期待しているからとのことです。

こちらに住んでいると日々感じることですが、アメリカという国は世界最大の国でありその立場上リスクを取った政治や世界的活動を行っているので、安全対策は半端ではありません。現在のアメリカらしい進め方だなと思いました。

登録の詳細は11月20日までに発表されることになっていましたが発表されず、代わりに以下のような主旨のお知らせメッセージが連邦航空局のホームページに掲載されました。

  小型無人機ドローンの登録は、オンラインショッピングに似た極めて簡単な
  システムになる予定です。従って、登録作業に登録代行会社の援助が必要に
  なるようなことはないと予想します。

なんと、まだ登録手順の発表も行われていないのに、登録代行を行うとうたう企業があったようです。さすがアメリカと言わざる得ない。日本に比べてパイが大きく競争は激しいのでビジネスパーソンとして先手を撃つのは重要ですね。

ところで、ドローン熱を見事にいじるストーリーが秀逸だったサウスパーク第18シーズン第5話「マジックブッシュ」、現在は日本で視聴できる手段がないのみたいなのですが、オススメです。


Thursday, November 19, 2015

インディーズ映画界が元気な国ーフィンランド

世界中のインディーズ映画界が沈んでいる中、フィンランドのインディー界が健闘しているという記事があったので紹介します。

ーーーーー

国からの援助に頼らないフィンランドのインディ映画界は、独自のストーリーテリング、ジャンル映画(アクション、サスペンス、ホラーなど)の面白さ、ニッチなフィクションやドキュメンタリーの増加に特徴があり、具体的には、フィルムノアール、詩的な小説のようなもの、SFものなどさまざまなタイプの海外映画から影響が見られる。

先日ヘルシンキで開催されたLove and Anarchy映画祭のフィンランドインディー映画プログラムに登場した映画のラインナップから以下のことが読み取れる。

1 作品が多様
ドキュメンタリー、アニメーション、短編などジャンルが多様であるだけでなく、内容も登山、スケート、フィリピンのトランスジェンダー支援運動の他、スウェーデンの映画監督とのコラボレーション作品など幅広い。中でも、恋愛関係の終焉について独特な雰囲気を持つ実験的な撮影方法を取ったコメディ「About Happiness」、ダイナミックなカメラワークで従来にドラマの撮り方に挑戦した「On Happiness」、48時間以内に作品を完成させる映画コンテスト「Uneton48」で制作されたアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「星の王子様」を元にした神秘的現実主義ラブストーリー「Night Goes Long」などが秀逸だった。他にも、ジャンル映画の作り方にこだわった「Guilt」があり、これは先日Raindance Film Festival(ロンドン)で最優秀初長編監督賞を受賞した監督の作品である。

2 興行成績への挑戦
大多数のフィンランド映画は国の支援により製作されており、インディー製作はそうスムーズにいくものではない。フィンランドでは国内製作作品が人気で、2014年の興行収入額トップ5のうち4作品がフィンランド国内製作の作品であるが、上位20作品の中でインディー製作されたものは1作品のみ。しかもこの作品は、ネパールの教育への投資資金を調達するために3人の男が小型トラックでヘルシンキからネパールまで旅するドキュメンタリーで、フィンランド初のクラウドファンディングで資金調達をした作品であるばかりでなく、興行収入はすべてネパールの教育資金として寄付されるというもの。

また、フィンランドではフィンランドらしくない作品は信用が薄く、従来の資金調達方法である国からの援助で製作された作品が好まれることが多い。フィンランドらしい作品とは、風変わりで一般社会から疎遠な登場人物がありとあらゆる手段を使って自己表現するものや、都市生活でからの逃避に関するものである。

3 アキ・カウリスマキの時代からの移行へ
国際的に最も名が通ったフィンランドの映画監督はアキ・カウリスマキであろうが、実験的で 無表情な登場人物が登場する彼の映画は、現代のフィンランド社会に向けて妥協のない批判を唱え続けるためフィンランドらしくないと相手にされず、商業的にもアート系映画界以外で成功することはめったいにない。

前日の「Guilt」を製作したMárton Jelinkó監督も同じ状況に直面しているようで、彼が作りたい大衆向けではない映画は、国内の既存の製作支援制度の中での資金調達は難しいと発言している。「Guilt」の製作資金10,000〜12,000ユーロはすべて監督の制作会社が調達したという。

だが、この作品は資金調達方法だけではなく他の面でも現在のフィンランドのインディーズ映画の典型である。それは、従来とは違うストーリーテリング手法を用いたジャンル映画で、その制作クオリティが高い点にある。

配給については、フィンランドのインディーズ映画は海外市場に岐路を見出しつつあると、フィンランドで唯一のインディーズ系映画配給をするMikka J. Norvantoは言う。彼が昨年製作したホラーコメディ「Bunny the Killer Thing」は、ヨーロッパ、北米およびオーストラリアの映画祭で上映された後、Raven Banner Entertainmentによる世界中での公開が決定し、その影響でその後も良い話が舞い込んできている。重要なことはその作品に合った観客を見つけることで、ネットフリックスやそれに似た国内プラットフォームの増加で状況ははるかに良くなっており、海外公開や海外にファンを持つこは夢ではなくなってきているとNorvantoは言う。

(元記事はこちら。長いので要約しています。敬称略で失礼しています)

ーーーーー

以前は、ジャンルに沿ったものを書かないとマーケットがないから売れない、と言われたものでしたが、最近は何でもありですね。上に出てくる「ホラーコメ ディ」などもすぐイメージできるようになりました。でももう既にジャンル名2つの単語の合成は使い尽くされてしまったように思います。次は3つかな。「ホラーラブコメドキュメンタリー」などがいかがでしょう、笑?

他の業界と同様ですが、インディーズ映画界もさまざまな部分で垣根が取っ払われつつあるので、それらがうまくつながる、うまく回るようになるまでの今の時期をどう過ごすかが、制作者にとっては重要ではないかと思っています。

自分の声をさらに育てながら、業界の動きに対して早すぎず遅すぎないスピードでやんちゃするのが目標です。

Monday, November 16, 2015

脚本読み合わせのチェックポイント

先日、友人の映画脚本の読み合わせに参加した。撮影前の脚本の読み合わせは、こちらでは「テーブルリード」と呼ばれていて、テーブルを囲んだ形で行われなくてもテーブルリードと言う。

テーブルリードは読む人が誰であるかや読み方、タイミングによって目的はさまざまだ。私もコールドリードと呼ばれる演技をしないでただ読むだけの読み手として参加したこともあれば、自分の脚本のデキを見極めるために俳優に読んでもらったことも、観客300人の前で出演予定の俳優が読む撮影直前の最終チェックとしてのテーブルリードに聞き手として参加したことも、はたまたマイクと録音を担当する音響スタッフとして参加したこともある。

今回は聞き手としての参加。ベトナム人の友人が書いた長編映画脚本の第1回目の読み合わせだった。第一回目であったがさすがすでに賞を2つも受賞している脚本、完成度が高くて読んでる俳優の読み方もだんだんコールドリードじゃなくなり、私たち聞き手もすっかり映画の世界に飲み込まれた。最後のト書きが読み終えられると拍手喝采!この脚本を書き監督もすることになっている友人は感動して泣いていた(自分の書いた脚本に感動したみたい、笑)。

しかもこの作品は、戦前のベトナムが舞台のベトナム語作品として制作される。今回のリーディングは、セリフを英語に訳してニューヨーク在住のアメリカ、アジア、中米出身俳優で行われた。文化と時代と国籍を越えて良い作品になる可能性が高いことが証明された!

テーブルリードは多くのことを気づかせてくれるとても役立つ機会。その目的や自分の役割によってチェックポイントは変わってきますが、今回気をつけて聞いていたことは以下の通り。

1 セリフが自然か
2 各登場人物が明確にイメージできるか
3 全体の流れやテンポが良いか
4 映像作品として十分に視覚的か
5 読み終わった後に心が揺さぶられているか

聞き手としての仕事は感想を述べて何か気づいた点を指摘することだけど、この作品は上の5つのポイントを軽々とクリアしていて褒めるしかなかった。たくさん刺激をもらって勉強にもなったテーブルリードだった。